

山下達郎の音楽は、売れなかった70年代から、大阪のディスコやテレビCMをきっかけに広まっていきました。竹内まりや「プラスティック・ラブ」やKinKi Kids「硝子の少年」にも関わり、何十年も後に聴かれる曲を作っています。ソロデビュー50周年の歩みを本人の言葉でたどり、サブスクを断る理由、録音とライブへのこだわり、入門にすすめたい『FOR YOU』と『OPUS』を話しました。
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19歳で自主制作盤『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』を100枚作った山下達郎。それを通じて大貫妙子らと知り合い、1973年にシュガー・ベイブを結成。1975年、大瀧詠一のナイアガラ・レーベルから『SONGS』を発表します。
今では名盤とされる『SONGS』ですが、当時は生活できるほど売れていません。所属事務所が給料を払わず、数か月で倒産したという本人の回想も紹介しました。1976年の解散までの暮らしと、後年の評価との落差について話しています。
0:35から動画で見る →1976年のソロデビュー作『CIRCUS TOWN』はニューヨークとロサンゼルスで録音。しかしその後は予算が少なく、もう1テイク録りたくても録れません。本人は1978年の『GO AHEAD!』が最後のソロアルバムになると思っていたそうです。
転機は、その収録曲「BOMBER」が1979年に大阪のディスコで流行したことでした。そこから「RIDE ON TIME」のヒットへつながり、1980年には同名アルバムで初のオリコン1位に。動画では、この経歴を当時のディスコブームと重ねて話しました。
2:40から動画で見る →声を何重にも重ねたア・カペラ作品『ON THE STREET CORNER』、再びオリコン1位となった『FOR YOU』を発表。そして1983年の『MELODIES』の最後に収録されたのが「クリスマス・イブ」でした。
この曲は発売した年に大ヒットしたわけではありません。1988年のJR東海のCMを経て、1989年に週間チャート1位に。歌うのは37歳くらいまでと考えていた本人も、このヒットでやめられなくなったと振り返ります。曲のイントロや歌い出しからドラマを作るCMの見せ方にも注目しました。
4:55から動画で見る →近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」は山下達郎が作曲・編曲し、松本隆が作詞。KinKi Kids「硝子の少年」も、この2人の仕事です。暗い、踊れないと不評だった曲について、山下達郎は2人が40歳になっても歌えると伝えていました。
竹内まりやの『VARIETY』に収録された「プラスティック・ラブ」では、作詞・作曲が竹内まりや、編曲が山下達郎です。自分の歌だけでなく、楽曲提供やプロデュース、CMやラジオを通じて、山下達郎を知った人も多いという話になりました。
7:20から動画で見る →2017年にYouTubeへ投稿された「プラスティック・ラブ」の非公式動画をきっかけに、海外で曲が広まりました。翌年に削除された時点で2,400万回再生。70〜80年代の日本のシティポップが海外で聴かれるきっかけの1つになります。
この人気について、山下達郎はもっと早く評価してほしかったと答えています。海外進出をすすめるビジネスパートナーにも、本人は断り続けていました。海外へ売り込む活動をしていない間に、プロデュースした曲が30年以上後に世界で聴かれるようになった経緯を紹介しています。
8:15から動画で見る →『ARTISAN』『COZY』などを経て、2022年に『SOFTLY』を発表。その年のインタビューでサブスク解禁を尋ねられた山下達郎は、死ぬまでやらないだろうという考えを示しました。
理由として挙げたのは、表現に携わっていない側が曲を配信し、利益を得る仕組みへの疑問です。市場での勝利と音楽での勝利を分けて考えていました。動画では2026年10月の状況として、オリジナルアルバムは未配信で、「クリスマス・イブ」「REBORN」など一部のシングルは聴けると説明しています。
9:50から動画で見る →2023年にはRCA/AIR時代の8作品がアナログ盤とカセットテープで再発。TOWER VINYLの2025年3月〜9月の集計では、海外客が買った中古レコードのアーティスト別で山下達郎がビートルズに次ぐ2位に。『FOR YOU』はアルバム別3位でした。
本人が制作で考えてきたのは、風化せず、いつ作られたか分からない音楽にすること。対談では、初期作品が後年に評価され、「硝子の少年」も歌い続けられていることを、この制作方針と結び付けて話しました。
10:45から動画で見る →2025年のフジロック初出演では、竹内まりやが登場して「プラスティック・ラブ」を歌う場面も。実際に観た体験として、混雑した会場でも音の良さが印象に残り、歌やMCまで1つのショーとして楽しめたことを話しています。
2026年10月14日発売の『JOY 2』は、前作『JOY』から37年ぶりのライブ盤。2008年〜2025年の全国ツアーから本人が38トラックを選びました。長く録音してきた演奏から何を残すか。その選曲にも、普段のラジオでの仕事と通じるこだわりがあるのではないかと話しました。
11:20から動画で見る →対談では、曲や演奏だけでなく、録音・整音まで揃っていることを山下達郎の特徴として挙げました。「DOWN TOWN」はイントロが鳴った瞬間に音の良さが分かります。ギターの音を例に、作曲と編曲だけでは説明しきれない、聴いたときの印象を話しています。
お金をかけた高音質だけでも、ローファイの美学でもない音だという見方です。また、ラジオや声での出演を続ける姿勢、会場の大きさなどにも話が及びました。作品の音を選ぶことと、活動の仕方を選ぶことの両方から、その一貫した仕事を考えています。
13:45から動画で見る →これから山下達郎を聴く人には、まず『FOR YOU』をすすめました。1枚のオリジナルアルバムとして、山下達郎の音楽のイメージが伝わるという理由です。海外で再評価され、日本の名盤として語られるようになった作品でもあります。
もう1つの入り口は、3枚組のベスト盤『OPUS』。幅広い時期の曲を聴いて、気になった曲が入っているアルバムへ進む聴き方ができます。最後は、最初に聴いた曲や好きな曲を問いかけ、関連する竹内まりや「プラスティック・ラブ」の解説へ案内しています。
17:35から動画で見る →